第2話 高嶺の山

文字数 367文字

 朝からブーン、ブーンと草を狩る音がしました。
小父さんが小さい山の登り口まで下草を綺麗に苅ってくれました。
「ハミ」この辺りでは「ハメ」といいます。
「ハメ」にご注意の新しい看板が出ていました。
 近所に住む、二回りも若い知り人が山に登りました。
「山といっても高々1○○メートルよ」誘ってくれましたが、
いくら力んでみても、私にとっては1○○メートル、されど
一○○メートルで高嶺の山です。登り口まで一緒にゆきました。
 「若いっていいな」「健康っていいな」歯軋りしました。
山では老鶯が、泣いていました。あえて泣くと綴りました。
ホーは聞こえず「ケキョ。ケキョ」と叫びます。
生きとし生けるもの、皆老います。それが自然の摂理というもの。
 草刈り機を逃れたたんぽぽが地に這うようにして息づいている
のを桜の根方で見つけた。
季節外れの花が一輪咲いていた。。
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