せめて色は涼しくいこう、蒼海おでん

文字数 595文字

(なんだが、嫌な予感がする……)
どうしたのユキちゃん、難しい顔して。

え?

ああ、ちょっと考え事してた。

そっか。

では、夕ご飯を食べて落ち着こう。

 

今日のメニューは、蒼海おでんです。

サクは、鍋敷きの上に置いたおでん鍋の蓋を開けた。

そこには、青色の液体に沈むおでんの具があった――

うわぁ……

急に暑くなったからか、おでん種が安かったんだけど、種だけのセットだったからね。

じゃあ、鍋つゆの元で味付けをしようかなって。

だからって、なんでまたおでんに……
んー……この色は魚介なべがオススメなんだけど、他の色はお肉なべがオススメだったから、練り物多めなおでんにはこれが合うかなって。
あー……うん、(どうして幾つかあった色の中から選んだかまでは)分かった。
因みに、〆は透明なマ〇ニーちゃんです。
それは、綺麗に染まりそうだねえ。
芥子の黄色もきっと映える。
いや、映えそうだけど私は辛いのいいや。

そう?

じゃあ、取り分ける小皿とお箸をどうぞ。

あ、ありがとう。

では、(被害の少なそうな)蒟蒻を……あ、割といける。

因みに、ちくわぶはホラーです。
凄く、染まってるねえ。
……青色って、食欲が減退するって本当なんだね。

ああ、うん。

そう言われたら、そうだね。

……闇鍋。
嫌だよ?
あ、ものによっては染まり方が薄いね。

うん。

だから、そう言うのから食べちゃおうよ。

そうして、時に妙な表情になりながらも、二人はおでんを食べきったのだった――
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登場人物紹介

サク
小柄で甘食な黒髪女子。
おかんポジ。

ユキ
メロン感のあるふくよかめ女子。
良く食べる。

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