見た目は大福、中身はイチゴケーキ

文字数 1,094文字

今年もこの季節がやってきた!
ユキ・イチゴ!
ユキイチゴの季節が!
ああ、毎年寒い時期に売られているよね。
クリスマスが過ぎて、暖かくなるまで辺りに。
そうそう、雪の降る時期にユキイチゴ!
イチゴが出回る季節にユキイチゴ!
定番の白いのとピンクので紅白っぽいセット!
レアなチョコのやつと抹茶のやつ!
さあ、食べよう。
直ぐに食べよう。
じゃあ、お茶を淹れ……これ、緑茶と紅茶どっちが合うのかな?
見た目は和菓子だけど、ほぼ洋菓子だよね?
抹茶味もあるし、和菓子として緑茶かな?
中身はクリームとスポンジケーキとイチゴだけど、イチゴ大福の餡子がクリームになった様なものだし。
スプーンやフォークより、雪見に入っている棒の竹バージョンで突いて食べたいし。
(黒文字のことかな?)
じゃあ、緑茶を淹れるね。
ならば、私は刺すやつを。
おやつ準備完了のお知らせ。
さあ、サクちゃんはどれから食べる?
んー……珍しいし、抹茶からいくかな?
じゃあ私はチョコの方を……うん、美味しい。
もちもちとチョコクリームって合う。
それじゃあ、求肥にクリームとスポンジを包み込んで一口。
って、サクちゃん、ひっくり返して食べるの!?
うん。
ひっくり返して、求肥の四隅の一つを引っ張りつつ、伸びた求肥を容器の弧に沿って切断。
切り離した求肥で包み込める分のスポンジとクリームと共に口へ運ぶ。
これが、私的ユキイチゴのお作法。
何というお作法。
因みに、四隅を全て千切り終えたら、クリーム付きイチゴを贅沢に一口で。
おおう。
残ったクリーム達は、残った求肥で包み込んでこれまた一口で。
これは……試したくなるお作法だ。
まだ二種類残っているし、試してみたら?
試したいけど、残り二つはセット用の四角い容器に入っているんだよ、紅白のやつ。
そこは、ほら。
一旦丸い蓋を食べたい方に被せて、ユキイチゴの底に棒を差し込んで一気にひっくり返せば、多分。
棒で、この柔らかいの支えられるかな?

じゃあ、要らない広告をテーブルに敷いて、それぞれのユキイチゴに丸い蓋を乗せる。
そして、覚悟を決めての大回転。

さあ、ユキちゃん。

私が丸い蓋を支えているから、今や上になった四角いパーツをのけておくれ。

勿論!
あ、綺麗にひっくり返ってる。
じゃ、紅白好きな方を取って。
では、ピンクの方を……このお作法、クリーム雪崩の心配が無くて良い。
でしょ?
蓋を使って食べるのって嫌う人は嫌うだろうけど、おうちで食べる分には誰かに迷惑をかける訳で無し。
むしろ、もちもちに逃げられることなく堪能出来て素晴らしい……これからは、このお作法で食べることにする!
そうして、ユキは新しい食べ方に目を輝かせ、おやつの時間は楽しく過ぎたのだった。
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登場人物紹介

サク
小柄で甘食な黒髪女子。
おかんポジ。

ユキ
メロン感のあるふくよかめ女子。
良く食べる。

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