牛乳を煮詰めた蘇があの色なら、練乳を煮詰めてもあの色になる

文字数 1,036文字

暑い日の午後にはがっつりアイス……っと。
やあユキちゃん、今日もアイスが美味しい気温だね。
うん、お口で溶ける冷え冷え美味しい。
そんなアイス好きのユキちゃんにはこれを捧げよう。
わーい、ありがと……って練乳の缶?
かき氷には練乳だけど、アイスに練乳?
それは開けてのお楽しみ……
あれ、中身茶色い。
そう、練乳をじっくり加熱するとキャラメルっぽくなるんだよ。
昔、裏技番組で紹介されていてね、乳製品の消費に一役買ってみようかと作ってみた。
なんかびっくりだよ。
そして、半解凍状態のブルーベリーにストロベリー、こちらもアイスに乗せて召し上がれ。
これは一気にゴージャスなアイスに早変わりだね。
どれどれ……うん、アイスとは予想通りだし、酸っぱい果物とキャラメルって合う。
それは良かった。
使わないキャラメルは、もっと煮込んで別のお菓子にしておくね。
別の?
うん。
今はアイスにかけられる位にトロトロだけど、それを更に煮込むことによって、生キャラメルを作ります。
生のキャラメル?
生チョコレートが生クリームで柔らかめにするように、何となく柔らかいキャラメルを生キャラメルとする。
そして、冷えた試作品がこちら。
既に出来てる!?
苺にかけるかなと思って買ったチューブ練乳を使い忘れていてね、加熱すれば悪い菌も滅っせそうだし丁度良いかなって。
そう言えば、苺に練乳ってかけないで食べてばっかりだったっけ。
チューブタイプの量だからちょっとしか出来なかったけど、食べてみる?
うん!
はい、マスクの代わりにやたらと並んでいたオブラートに包まれた柔らかキャラメルです。
なんでオブラート?
キャラメルがべたつくからだね。
オブラートってアミラーゼで分解されるけど水分では溶けないから、べたつく甘いものを包みがちなんだよ。
なる……ほど?
薬を飲みやすくするゼリーが売り出される前は、オブラートを濡らして薬を包みやすくする裏技もあってねえ……今は、ゼリーでするっと出来る商品が有るから、日陰の身だけど。
あれ、ゼリー美味しそうだよね。
隠しておかないと子供が吸いそうな見た目だよね、あれ。
ね。
さて、アイスも食べ終わったし、生キャラメルを……
どう?

甘くて、べたつくねっとり感。

……缶のやつまで煮込まなくても良いんじゃないかなぁ?

そっか、じゃあ缶は缶のまま冷やしておくよ。
待って、そっちはまだ食べ足りてない!
あ、うん、じゃあ満足したらしまっておいてね。
そうして柔らかなキャラメルは、アイスにかけられてはユキの口に運ばれ、殆ど残らなかったと言う――
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登場人物紹介

サク
小柄で甘食な黒髪女子。
おかんポジ。

ユキ
メロン感のあるふくよかめ女子。
良く食べる。

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