おとと天国

文字数 925文字

魚介 魚介 魚介~ 魚介を食べると~
サクちゃんご機嫌だね、何か良いことあった?
うん、魚介セットが安くなっていてね。
これはもう、鯛焼き機を活躍させなきゃと思って。
なんで、そっちに。
鯛焼きって、焼いた甘い生地に餡子の中身が基本。
中にはクリームとか、チョコレートとか、ソフトクリームとか中身が違う鯛焼きがあるけど、どうせならお魚入りで鯛焼き焼きたいなって。
と言うことは、鯛入り鯛焼き?
流石に鯛は手に入らなかったよ。
「めでたい」にかけているせいか、何かのお祝いか神様に捧げる為の鯛だからか、あまり見かけないんだよね。
言われてみれば、滅多に見ない気が。
と言う訳で、海鮮お好み焼き鯛焼き型バージョン!
エビ入りに、イカ入り、タコ入り……にかつお節とソースをかけて召し上がれ。
鯛焼き機でお好み焼きにタコって、それはもう何焼きなんだ。
お好み鯛焼き?
魚な形のお好み焼きに鰹節って頭が混乱するよ……ああ、味としてはお好み焼き、だけど何だかなんだこれ。
そんなユキちゃんを更に困惑させるお魚ハンバーグがこちら。
ねっとりおととなネギトロを焼いたハンバーグです。
お魚ハンバーグ、それはお肉と思って食べると残念な気持ちになるハンバーグ。
カレーライスと思ったのに、ハヤシライスだった時の残念さよりは良いんじゃない?
色と匂いで違いは分かるし。
カレーも、カレーの匂いでカレーって……ああでも、煮込んでいる時こそのカレーか。
そう、だから給食の冷めつつあるカレーとハヤシは見分けがつかなくてね。
何より、子供だからハヤシの存在も知らなくてね。
もう、がっかりもがっかりだったよ。
子供の頃って、カレーの特別感は今より有ったよね。
あ、ハンバーグの中にカツオが潜んでた。
鯛焼きの具材として、カツオのたたきを味を浸み込ませてからふんわり入れたからね。
これぞ、魚肉の皮に魚肉の具材を入れた、鯛の形のお魚焼き。
悔しい位に美味しい。

そりゃ、殆どお店で売られている状態だからね。

焼いただけで味付けはカツオにだけだし。

これが、お魚の旨み……っ!
そして、ホタテもシンプルにバター醤油で。
こんなの絶対美味しいに決まってる……っ!
そうして魚介天国は美味しく過ぎ、ホタテの殻だけがダイニングの隅にひっそり残されたと言う――
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登場人物紹介

サク
小柄で甘食な黒髪女子。
おかんポジ。

ユキ
メロン感のあるふくよかめ女子。
良く食べる。

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