レンジで溶かせば色々と楽
文字数 984文字
ユキは素早く手を洗い、サクに言われるままにウエハースと型から外したばかりのチョコを支えた。
いやー、子供向けのお菓子の電車だけど、一人で作るとなると難しいね。
うん。
売れ残りが安くなっていたから、一度くらいはやってみたくて。
それで、本当は完成させてからお披露目するつもりだったんだけど……
じゃ、支えが必要無くなったら言って。
それで、完成したら呼んで。
そうして、ユキが不在の間に、お菓子の電車は完成した。
うん。
うっかり、外国製のビビットな粒々を買ってしまったからね……ここで使うしかないかなって。
(サクちゃんのうっかりが良く分からない……)
ところで、これってどう食べるのが正解なの?
それって、ヒヨコのお菓子を何処から食べるか問題より難しくない?
サクは、お菓子で出来た電車に拳を振り下ろして破壊した。
何処かで聞いた話だと、この方法で愛が注入出来るらしいよ?
まあ、とにかく……食べにくいなら壊すしかないかなって。
手作りとは言え、ほぼチョコを溶かして固めただけだし、不味くはない筈。
あと、ウエハースは放置したら湿気るから優先して食べて。
分かった。
では、ウエハース部分を……うん、これはカードがオマケになっているウエハースの味。
そして、チョコは……なんか駄菓子屋さんで十円玉になっているのと似た味がする。
ああ、確かに、このメーカーの板チョコよりそっちの味だね。
うん。
小分けになっていただけで、市販されているアレと同じだからね。
ねえサクちゃん、お菓子の家って夢は夢のままで良かった例な気がしてきた。
その後、お菓子の電車の残骸は、別のお菓子と組み合わされながらおやつとして消費されたと言う――
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