パンナコッタに旬のベリー

文字数 889文字

ご馳走様。
今日の御夕飯も素敵だった、サクちゃん大好き。
どういたしまして、美味しく食べて貰えて私も嬉しいよ。
厚めのお肉の生姜焼きも、具だくさんのお味噌汁も美味しかった。
美味しいは幸せ。
凄く幸せ。
そんなユキちゃんにはこちら。
学校給食が急停止で余った乳製品で作ったパンナコッタです。
パン余った?
パン余ったじゃなくてパンナコッタ。
イタリアの美味しいデザートだね、確か。
パンナコッタ、パンナコッタ。
うん、多分覚えた。
これだけでも美味しい筈だけど、今日はイチゴのジャムを添えて。
時期的に、ジャム用イチゴが安かったんだよね、小さくて不格好なジャム用イチゴ。
ジャム用のイチゴなんてあるんだ。
うん。
農家さんが幾ら頑張ったって、どうしても不格好なイチゴって出来るから。
そして、綺麗な形じゃないと、ケーキに乗せるイチゴにはなれない。
形が駄目だとケーキに乗せられないなんて、なんだか悲しい。
そうだね。
だけど、ケーキを売るお店も、綺麗なイチゴを乗せないとクレームになるから。
形が悪い代わりに沢山乗せるってお店、有ったら面白いのにね。
それは美味しい。
イチゴ、どうせなら沢山乗っている方が美味しいから。
ね。
沢山乗ったケーキも有るけど、綺麗なイチゴだらけで値段もすっごく高い。
だから、仕入れを安く済ませてイチゴたっぷりケーキが有れば売れると思うんだ。
ケーキ、イチゴが増えると高くなるもんね。
間に薄いイチゴが隠れているだけで、クリームだけのより高いし。
そう。
それだけ、イチゴにはケーキの値段を左右する何かがある。
だけど、ケーキの枠に捉われずジャムにしちゃえば、デザートに添えてパンに塗れて幸せになるイチゴなのです。
では早速、パンナコッタに幸せのイチゴジャムを……好き。
それは良かった。
イチゴの形をそこそこ残したままだから合うかどうか謎だったから。
ちょっと残ったところがそのまま食べたい位美味しいよ。
ああ、これは朝にパンに乗せてパンジャムッタにすべきだ。
じゃあ、明日の朝ごはんはそれに合わせたおかずを作るよ。
ほんと?
だからサクちゃんって大好き!
こうして、二人の時間はジャムの様に甘くねっとりと過ぎていくのであった。
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登場人物紹介

サク
小柄で甘食な黒髪女子。
おかんポジ。

ユキ
メロン感のあるふくよかめ女子。
良く食べる。

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