2. ハロー効果

文字数 419文字


 狐が歩いていると、獅子が近づいてきた。
 威厳ある(たてがみ)が垂れ下がり、王の帰還を周囲に知らしめていた。

 狐は喰われると震えあがるが、騾馬(らば)(いなな)きが獅子から聞こえてくる。

 狐が言うには、
「なんだ。皮を被っているだけか。お前が声を上げなければ、俺もびくついたままだったろうに」

 まやかしの外見に囚われる者は多い。中身を吟味するのはおっくうだが、試す価値はある。幻惑されて安っぽい幸せに浸ることが、悪とは言わないけど。

 もう一度、時間をかけて考えてみる。

 ①外が良い。中が良い
 →文句なし

 ②外が良い。中が悪い
 →騙されたくない

 ③外が悪い。中が良い
 →良い人が外面を磨かない理由は何? 良い人と思われたくない? 面倒?
  なんにせよ、対人関係に無関心?

 ④外が悪い。中が悪い
 →論外

 外面は他者を見分ける入口になり得る。
 そう、入口。
 それがすべてではないと、心に刻んで時間をかけなければ、良し悪しは判断できない。

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