65. 宇宙地図の作り方

文字数 338文字

 目の前に指を一本立て、首を左右に振る。
 遠くの梢が左に右に揺れ、指から出たり消えたりする。

 ここで相似を用いると、
 梢の揺れ幅:首の振り幅=梢から指までの距離:顔から指までの距離

 顔から梢までの距離
 =顔から指までの距離+梢から指までの距離
 =顔から指までの距離+(梢の振り幅×顔から指までの距離/首の振り幅)

 顔=地球
 指=近くの恒星(既知)
 梢=遠くの恒星
 と仮定すると、恒星プロキシマ・ケンタウリまでの距離は4光年以上と計算できる。

 遠大な物事も、首を振るだけで解説できる。
 世界は思いのほか、平易に構成されていた。

 ケフェウス型変光星もそうだったら良かったのに……。
 すべてが平易に、容易に、簡単に解決できると勘違いするべきではない。

 正しき理解は、複雑さの果てに。
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