207. 中生代の火事

文字数 373文字

 三畳紀→よくわかっていない
 ジュラ紀→よくわかっていない
 白亜紀→ファイヤー

 茶色と緑色と青色だけの時代は過ぎた。
 艶やかな花の時代だ。

 稲妻がいつものように降りしきり、花々は炎に包まれる。
 恐竜が逃げ惑い、犬が安全地帯に誘導した。

 繰り返される炎に負けじとマツ類が耐火性質を獲得し、進化を遂げる。

 二度の大量絶滅を乗り越え、気候の暴落、超大陸の破砕、多くの生と死、進化と退化をその目に収めてきた犬が言う。

「いま生き残ること。それだけが正義だ」

 一億年以上先の夢なんて、もうとっくに、記憶の彼方に消えていた。

 どうして僕は、独りぼっちなの?
 三億年は長過ぎた。

 第五の大量絶滅が訪れる。
 そのはじまりは、あまりに唐突だった。

 生きて生きて生き抜いて、その果てに、望みや希望がありますか?
 生き残る為だけに、小惑星の衝突と戦えますか?

 犬は……。
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