161. トゥーレ

文字数 274文字

 ブリテン諸島に到着し、スコットランドを越えて、海域を北へ北へ、六日間突き進めば、凍結した海――マーレ・コンゲラッティ付近に、最果ての地トゥーレを発見する。

 住民は粟やキビ、地下茎などで暮らしていた。
 太陽が昇らない冬の訪れを体験し、探検家は南へ帰還する。

 アイスランドの北?
 グリーンランドの南?
 スバールバル諸島の北西?

 人工衛星でさえ、トゥーレの姿を(つまび)らかにしない。

 冒険家はロマンを求めて旅立つ。
 小説家は想像の翼で降り立つ。
 常識人は見向きもしない。

 蜃気楼に浮かぶ島を目指し、過酷な海に挑んだ過去・いま・未来のバカ共に、最大限の敬意を。
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