57. 風車

文字数 200文字


 四羽の折り鶴が翼の先端と先端を繋げ、頭を寄せ合っていた。
 密談である。

「年寄り鶴の頭を三度上に上げてやったぜ」
「落ちていた五円玉を懐に入れて、一円玉を残してきた……」
「オレは塀をひっかいた!」
「地面をつついて五ミリほどの落とし穴をこしらえたぜ」

 四羽は風と共にからからと回る。互いの悪行を称え合う。次はどんな悪行で世間を騒がせてやろうかと、大いに盛り上がった。

 悪事を為すのに、適さない存在がいる。
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