18. レイリー散乱とミー散乱

文字数 260文字


 赤い波が空気と遊んでいた。
 控えめな質だったから、さほどうろちょろせず、同じ公園のブランコに揺られていた。

 青い波が空気と遊んでいた。
 やんちゃな質だったから、興味があれば向きを変え、町内の公園はすでに回り終えていた。

 白い波は粒子と遊んでいた。
 チャンバラの勝敗は見えなかった。木の枝がぶつかれば、同じ力で弾け、周囲に波を伝播させた。

 波と空気が遊べば、昼は元気いっぱいの青い波、夕方は体力を温存した赤い波が華やいだ。
 波と粒子が遊べば、色に関係なく波が広がり、雲の白は明瞭だった。

 見上げた不思議に、無意味はない。
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