91. 撞着法

文字数 180文字


 生きて死んでいても、死んで生きることはない。

 死が±0だとしたら、生きて死ぬのは、限りなく0に近い正だ。
 生きていれば、どんなに-∞でも、いつか+に転じる可能性はある。
 死んでいたら、もう何もない。
 決定的な0だ。

 そう、0なんだ。
 -じゃない。-∞と比較すれば、それは+∞の幸福だ。

 悲しくて嬉しい死が存在する。
 それしか選べないことこそ、絶対的な悲劇だ。
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