151. トライプのレシピ

文字数 357文字

 湿った干し草香るトライプを、冷水で洗う。
 解体直前に食べていた草やら何やらを取り除く。

 保護膜を馬櫛でかきとると、クリーム色が見えてくる。
 洗って湯がき、長時間茹でる。漂白すれば白くなり、膨らむという。

 成形されて、売りに出される。
 安価で消化に良く、古く労働者に愛されてきた。

 シンプルに調理するのが良いらしい。

 玉ねぎ、ジャガイモ、小麦粉と一緒に鍋に入れ、水に浸して茹でる。
 味付けは塩コショウくらいだ。

 現代でも、日ごろからトライプを食べるヒトはいるのだろうか?
 ペットにはスーパーフードとして人気らしい。

 時代が経れば、食も価値観も変わる。
 他者の命を貪らなければ生きられない時代は、いずれ、科学の光で浄化されるだろうか?

 百年以内は無理かな?
 喰わねば死ぬ。死なない為に喰う。命を奪って私は生きていく。
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