176. オパビニア・レガリス

文字数 366文字

 会場が大爆笑に包まれる。
 叔父様らは自慢の髭をもじゃもじゃとさせながら、目じりに涙を溜め、腹を抱え、あるいは手を叩き、椅子の上で身をよじって楽しく表情を狂わせていた。

「いかれたファンタジー作家だって、こんなモンスターは生み出せない!」
「想像の世界で生きる赤子も現実を疑うね!」
「万一出会ったら卒倒するわ!」

 ディスプレイに映った復元図に、一同驚嘆を示す。

 オパビニア・レガリスはアノマロカリスの進化形と言われる。
 カギムシの仲間とも。

 どんな姿だって?
 文章で語れることは一度に一つだけで、目がいくつだとか、頭が何に似ているとか、足の有無とか、逐一説明するよりも、絵画で一気に大量に伝えたほうが楽だ。

 詳細は読めねば掴めないが、直観的理解には絵画に分がある。
 寓話を読んでいる場合ではない。

 そもそも寓話なのか? 寓話ってなんだ?
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