121. 楽器の分類

文字数 355文字


 1500を超える楽器を分類しようとした。
 採用は、一つだけ。

 ローマを愛する専門家曰く、
「弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器だ。異論は認めん」

 中国こそ覇者と自慢げな専門家曰く、
「八音。これに尽きる。楽器は素材で分類してこそ、真に正しい」

 原理物理を信仰する専門家曰く、
「何が鳴るか、それ故の楽器でしょう。自分自身か、膜か、弦か……バイオリンとピアノが同分類といって、論理的に問題が?」

 音楽に詳しくない素人曰く、
「時と場合に応じて、分類を変えればいい。研究時には解りやすいHS法、古代中国や雅楽を語るなら八音、一般的にはローマ。一意に定める必要ある?」

 一番でないと我慢できない幼子曰く、
「やだやだ! オレが世界一だ! 他の奴らは悪魔だ、クソだ! 死んじゃえ!」

 かくして戦争が勃発(ぼっぱつ)した。
 終わることはない。
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