68. 宇宙背景放射

文字数 301文字


 1964年、二人の天文学者がハトの糞を掃除していた。

 超高感度の受信機を作るため、背景雑音を取り除こうとしていた。
 どうしても微弱な雑音は消えず、鳩の糞が原因では? と疑ったようだ。
 違った。

 雑音は宇宙全土からやってくる。
 エネルギー順位は均一、どの方向でも強さが変わらない。

 ビッグバン宇宙論は、そのエネルギーを知っていた。

 仮説は定説となり、人口に膾炙(かいしゃ)していく。
 新たな知識と同時に、新たな疑問が湧いていく。

 探究は終わらず、微に入り細を穿(うが)つ正しい科学は、人々にとって迷信と変わらなくなる。

 学べ。
 そして、私たちの無知を愛そう。
 この世界は、私たちの知らない、わくわくとドキドキに満ちている。
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