267. AIより不真面目なあなたへ
文字数 995文字
一日24時間働き、年に365日働き(2月29日は休日出勤!)、一秒も笑いたいと思わず、どんな問いかけも率直に無駄なく回答でき、収集データに誤りさえなければ完璧に業務をこなせる。
そんなヒトに、きっとユーモアは要らない。
そうでなければ「真面目さ」「正確さ」「業務効率」を徹底して極めるよりも、「人間味」「プレイバウのような思い遣り」「信頼できる愉快さ」で陽気にコミュニケーションをとるほうが、仕事で役立つだろう。
AIに勝てる自信がなければ猶更。
愉快なAI相手にどうすりゃいいって?
君の愉快さは、AIの愉快さと個性が違うから、きっと大丈夫。
個性的なAIが数千万機と作られたらどうりゃいいって?
大丈夫!
その時には全てAIが仕事し、仕事せずとも食べられるようになったヒトは、暇つぶしに研究とユーモアに明け暮れているから。
とある社内チャットのやりとり。
「資料をお送りします。確認をお願いします」
「確認できました。問題ありません」
とある社内チャットのやりとりその二。
「資料をお送りします。以前お渡しした桜風どら焼き並みに完璧か、確認をお願いします」
「確認できました。桜風どら焼き並みに素晴らしい。次は僕がお土産にしますね」
とあるブレインストーミング。
「素晴らしいアイディアをばしばし言ってくれ! さあ遠慮なく! 駄目でもいいから!」
「……(素晴らしくなかったら殺されるな)」
とあるブレインストーミングセカンド。
「最高につまらないアイディアを出そう! こんなのできっこねぇと笑えるものがいい! 最悪を競おうじゃないか!」
「うーん。武道館、貸し切っちゃおうか?」
とある報告会。
「先月と比べ、固定費が5万円減少しました」
「固定費、毎月一千万近いんだけど。目標は500万円減ってわかってるワケ?」
とある報告会アフター。
「先月と比べ、固定費が5万円減少しました」
「いいね。あとそれを100回すれば、最高じゃないか」
一つご注意を。
本参考文献はスタンフォード大学ビジネススクール人気講座であり、日本人の気質や日本企業を前提として書かれているかどうかは知らない。
明日の会議で腹芸を披露してリストラにあっても、退職のきっかけが出来た……ありがとう! と私に感謝しないように。
一番のポイントは、「空気を読む」ことだ。
別に空中に文字が浮かんでいるわけではない。
人々の顔に書かれている。