ヨウコの身体の秘密
文字数 531文字
うろたえる声と共に通話は終わったが、代わりにヨウコがフローリングの床を転げ回って、けたたましく笑った。
僕も床に足を投げ出して笑った。あまりのおかしさに我を忘れて、しばしヨウコと二人でどたばたやっていたが、やがてお互い、力尽きて息切れがするようになったところで、ようやく興奮は治まった。
いつしか、僕たちは抱き合ったまま床に寝そべっていた。短く切った髪を乱して見つめるヨウコから慌てて跳び退った僕は、とんでもないことに気付いた。
まくれたスカートから覗く白い下着よりも先に目を奪ったのは、その中からふさふさと飛び出した、それこそ狐色をした長い尻尾だった。
ヨウコは慌てて跳ね起きると、スカートの前を押さえて居住まいを正した。
下着の話か尻尾の話かは分からなかったけど、どっちにしても隠すのはかえってやましい気がした。そこに込められているのが怒りなのか軽蔑なのか、それもまたよく分からないまま、僕はただ謝るしかなかった。
ドタバタやったせいか、それともヨウコを邪な眼で見てしまった罪の意識からか、ちょっと息が苦しかった。