命の絶叫
文字数 418文字
足を半歩ずつ引きずりながら、僕は暗い色をした軍の車両が走り抜ける歩道を這うようにして、一言、一言つぶやいた。辺りはじんわりとした夕日の光に包まれて、今にも薄い夜闇が滲んでくるように思われたからだ。
絶望で、意識をなくすことがないように……。
それでも、日は暮れていくのに、煙はかなりはっきり見えてきた。
今まで避けてきた、最悪の予想が頭をよぎった。
もう、死んでいる?
全身の力を振り絞って叫んだ。そうしないと、さっき考えたことが現実になるような気がしてならなかった。
何度でも叫んでやろうと思った。僕は、日が沈むまでは絶対に死なないのだから。
それでも、僕は煙の根元まではどうしてもたどりつけなかった。