妙に気になる狐の嫁入り
文字数 478文字
その夜は、眠れなかった。ヨウコが気になって仕方がなかったからだ。
最初に出会った夜はともかく、ヨウコが妖狐だと分かってからは、僕はしっかり自分の布団で寝ていた。ヨウコはというと、狐だという分を弁えて、すぐそばで丸くなって寝ていた。
それで、よかったのだ。
ところがその晩に限って、僕は妙にヨウコを女の子として意識していた。遠慮するのを強引に僕の布団で寝かせて、自分はその傍で腹筋背筋腕立て伏せをやって過ごしたのだ。
そんなことが気になったのは、狐の嫁入りの話なんか聞いたせいかもしれない。
結局、途中で息が苦しくなって気を失い、気が付いたら朝になっていた。