最後のチャンス
文字数 651文字
日が暮れたら、僕は死んでしまうのだ。そのくらい、ヨウコが好きだってことは自分でもはっきりしていた。
そのヨウコはというと、僕の部屋から一歩も出ないで困り果てていた。
神社から僕を運んでこられたのだ。もしかすると、事故現場まで……。
あんなことが他の誰に、と考えているヒマはなかった。ヨウコが真顔でツッコんだのだ。
そう言いながらも、ヨウコは笑っている。でも、悲しそうだった。
僕の命はあと1日もないっていうのに、よく言う。ヨウコは済まなそうにうなずいた。
するするとすり寄ってくるのを、片腕で抱えた。畳んだ布団を枕にして、1人と1匹で横になる。
開き直るのを、横から指で小突いてやった。
そこまで言って、はっと気づいた。1つだけ、方法がある。