意外に役に立つ狐ネットワーク
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でも、それは長くは続かなかった。ヨウコは急に跳ね起きるなり、セーラー服の中をごそごそやっていたかと思うと、例の絵馬を取り出したのだった。
素肌が見えそうになってズキンと胸が痛み、思わず目をそらす。
さっきは散々ヘンタイ呼ばわりしておきながら、今度は気にも留めない。ふんふん言いながら眺めているところを見ると、狐ネットワークらしい。
今までの気まずい空気をごまかそうとして、ちょっとからかってみたのだが、ヨウコは思いっきりふてくされた。絵馬を抱えて向けたセーラー服の白い背中に、僕は再び慇懃にひれ伏す。
ふざけたつもりだったのだが、「大明神」の一言は、妖狐の虚栄心をくすぐったようだった。
おもむろに正面を向いたヨウコは、重々しくのたまったものである。
僕は身体を起こすと、胸を張って宣言した。岬はともかく、実家はごめんだ。
そのまま話を打ち切るつもりで、テレビのリモコン電源を入れる。アフリカ内戦のニュースが流れ始めた。
文民保護をめぐる同盟国の発砲事件が原因で、政府側と反政府側の衝突は……。