僕とヨウコの調査の成果
文字数 654文字
実家の話になってしまったので、やむを得ず、「狐ネットワーク」でヨウコが仕入れた情報を少しずつ受け売りする。
ここからは、知っていることだから、きちんと説明できる。
岬さんが言葉を濁したのが気になって尋ねてみると、言いにくそうな答えが返ってきた。
つまり、僕とヨウコが1週間かけて調べたことは決め手を欠いていたわけだ。
狐ネットワークが、またガセネタを仕入れてきたのかもしれない。もしかすると、わざわざ実家まで連れていって、岬さんのねぎらいを受けながら赤恥をかいて帰ってくることになるかもしれなかった。
それでも、岬さんはちゃんと日程を空けて待ってくれている。あとは、僕の問題だった。
資料を抱えて立ち上がったとき、指の付け根が赤く擦りむけているのに気付いた。ちょうど、ケンカでメリケンサックをはめる辺りだ。
見られているのに気付いたのか、岬さんはそそくさと図書館を出ていった。
その後ろ姿を見つめていたヨウコがつぶやく。