実家がどのくらい田舎かというと
文字数 534文字
僕の実家では、第一次世界大戦が終わる頃まで狐が人を化かしていた。
近所の神社は信夫ヶ森と呼ばれる山の中にあるが、そこには昔、狐がたくさん棲んでいたらしい。
近所の神社は信夫ヶ森と呼ばれる山の中にあるが、そこには昔、狐がたくさん棲んでいたらしい。
とにかくそんな古くて近い時代の話が残っているくらい、僕の実家は田舎だった。
今、僕はそんな田舎を離れて、ずっと開けた場所の高校に独り暮らしで通っている。街は午後8時になったくらいじゃ寝静まったりしないし、ビデオもマンガも100円で1週間借りられる。海外旅行に行くのだって、パスポートを取るために県庁まで片道2時間の小旅行をしなくても済む。
なんとか授業料は払ってもらえるが、、仕送りは1円もない。親元を離れて高校生活を送る条件が、それだった。諸経費と修学旅行の費用までは何とか出してくれることになっている。だが、その他は全て……。
これが実家の……というかオヤジの方針である。