戦争が足下で牙を剥く
文字数 296文字
突然、ヨウコが僕の胸にすがりついてきた。慌てて抱え込んで、勢いよく開いた襖の前から隠した僕だったが、もう尻尾は見えなかった。うまく姿を消したらしい。
何があろうと、まず、この場から引っ込んでくれればそれでよかった。だが、それでは済まないことが起こっていたのだった。
だから、休校になったのだ。関係の車両で、道路はごった返しているだろう。今日は、出歩かないほうが無難なのだが、それはオフクロの報告で裏付けられた。