僕たちはこんな風にして出会った
文字数 423文字
次の朝、鼻水ずるずる垂らしながら部屋に戻ると、実家からついてきた見ず知らずの女子中学生は、玄関前で三つ指突いて出迎えたものだった。
そこで初めて、この娘が何者か分かったのだ。
ヨウコは夜食を食べ終わると、そのときと同じ仁義を切ってみせた。多少おどけて見えたのは、僕もコイツも慣れてきたせいだろうか。
だから、こっちも慇懃に頭を下げてみせる。
もっとも、そんなしかめっ面しく畏まった姿勢は、僕もヨウコもそうそう長くは続けられない。
不敵に笑ってみせるが、どうも不安だ。男の前で高々とあぐらをかいてみせる小娘が請け合っても、説得力がまるでない。