妖狐のヨウコがやらかしたこと
文字数 428文字
ヨウコの声に泣きが入って、僕はいささか早口に言葉をかぶせた。
すうっと息を吸い込んで、今日の失敗談が始まる。
傍らを歩いているのを見もしないで、頭を撫でてやる。ヨウコは照れくさそうに笑った。
ヨウコにとってはお楽しみの、油揚げ醤油ご飯が待っていたはずだ。だが、そこでまた、ヨウコは口ごもった。問題は、そこで起こったらしい。
なにぶん、今後の食い扶持が懸かっているだけに、さっきと同じ言葉は歯切れが悪かった。事の大きさによっては、すっ飛んで戻って詫びを入れれば済む問題かもしれない。それでも、ヨウコはようやく重い口を開いた。
嫌な予感がしてきた。もしかすると、とんでもないことになったかもしれない。