勝負の日は来た
文字数 420文字
いろいろアクシデントはあったが、僕は岬さんを連れて実家に行くことになった。
待ち合わせ場所は、長距離バスのターミナルだった。
空けたバイトの穴埋めに、ヨウコは朝早くから、高校の制服を着た僕に姿を変えて出ていった。張り切っている分、心の中には果てしない不安しか残らなかった。
待ち合わせ場所のバスターミナルに、岬さんはジーンズに長袖のフライトジャケットというラフな格好で現れた。
制服姿じゃなくても、やっぱり可愛い。顔を合わせたときの社交辞令がしどろもどろになるくらいに。
女の子の服を褒めたことがないので、つい不愛想な言い方になった。しまったと思ったけど、そこは岬さんだ。さらりと流してくれた。
忘れちゃいけない。これは、まだデートじゃないのだ。