単純なパズルの……解答
文字数 460文字
バンバン背中を叩かれているうちに、だんだん胸が苦しくなってきた。僕は返す言葉もなく、ヨウコのちいさな膝の上に身体を折った。
本当に、そんな気がした。心臓がねじ切れそうだった。肺が無限に膨らみそうな、いや、どこまでもしぼみそうな感じがした。
命が懸かっていた。苦しい息の下で、僕は必死で弁解する。
そこで、僕ははたと気付いた。
自分で口にした謎が、単純なパズルだということに……。
僕は、ヨウコの膝の上でころりと寝返りを打った。涙を目に浮かべた可愛らしい狐娘の顔が見える。たぶん、僕と同じ結論にたどりついたのだ。
落ちた涙は、熱かった。それを拭うつもりかどうなのか、妖狐のヨウコは僕の頬を小さな掌で撫で続けた。