妖狐にも分かる女心
文字数 412文字
1人しか入居できないアパートでこっそり2人で暮らして、ふざけあったりじゃれあったり喧嘩しては仲直りしたり、こんな日がずっと続けばいいと、いつしか思うようになっていた。
いや、終わるなんて思っていなかったのだ。
ヨウコは、永遠に続くはずだったその契約を、改めて口にした。
そんなこと、有り得なかった。いくら諦めているからって、僕の目には岬さんしか見えていなかったのだ。
でも。
ひとりで腕組みして、ヨウコはもっともらしく目を閉じると、うんうんと頷いた。
告白もその成就も、チャンスはすぐに巡ってくるということだ。