岬さんには言えない僕の秘密
文字数 419文字
謙遜の言葉の裏にある、そんな考えが思い上がりだってことは自覚している。でも、岬と同じ学校、同じ空間にいられるんなら……。
岬さんがそんな内心に気付くはずもない。いや、たとえ社交辞令だって構わない。その一言のためだったら、僕は天にだって逆らうだろう。
姿が見えないのをいいことに使い倒してきた情報源が、俺の耳元で嫌みったらしく囁く。実を言うと、古文書を読んだり、地方の古い家系や記録を調べたりなどという作業が、一介の高校生にそうそうできるものではない。
「あるんかい、そんなもん」と最初はツッコんだものだが、なかなかに侮れなかった。
このネットワーク、レスポンスが妙に早いのだ。