狐ネットワークの活躍?
文字数 414文字
ヨウコは答えないで、一方的に喋りつづける。もっとも僕だって、正体をバラしかかったことを責めるつもりはもうない。何となく、誰のことかは見当がついていた。
話の前後を結ぶ事情を察するに、岬を追ってきた向坂を化かして、追い返そうとしていたのだろう。それが失敗したのはヨウコが未熟だったのか、それとも岬を追い求める向坂が執念深かったのか。
それにしては、僕が目をそらしている間に姿を消した理由が分からない。
口を尖らせて考え込む様子からしても、とぼけているようには見えない。どうやら、ヨウコのしわざでもないようだった。
狐たちのネットワークがどういうものかはよく知らないが、そのくらいのことができる者はいるようだった。
そんなわけで謎は何となく解けたが、問題は何ひとつ解決してはいない。