岬のもとには、たどり着けない
文字数 437文字
だからこそ、用件も重大だったのだ。それは向坂も分かっていたことだろう。僕には絶対、言うわけがないが。
いなければ、今朝の電話が中断されたのは何かの間違いということになるのだけれど、どうやら、そうではなかったようだ。
その相手は僕だ。その時、何が起こったかというのが問題なのだ。
全く動かない前の車に向けて、苛立たし気に車のハンドルを叩く。クラクションを鳴らさない辺りは、マナーと言うべきだろうか。