気の迷い、と言われても
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それは自惚れというものかもしれない。でも、死ぬと分かっていて、将来性のある男との交際をやめさせることはない。
ややこしい言い方になるけど、言わなければならないのだ、今。
だが、岬さんはまさにその行動を、半分だけ起こしていた。
軍のミサイル基地のあたりに、昔あった帝国陸軍連隊の顕彰講演がある。憲法が変わってすぐ、できたものらしい。でも、誰もそんなこと気にしていない。5月の連休なんかは、そこで軍の人も屋台出したりして、なんだかんだとイベントが開かれる。
まだ間に合う。それは交際OKって返事の可能性もあるからだ。
僕の話を遮った岬さんの言葉は、中途半端なところで途切れた。
思いっきりニヤニヤ笑いを繕ったヨウコが、僕の真下から顔を突き出した。