セーラー服姿の妖狐と過ごす毎日の始まり
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それはともかく、軍隊の存在が認められて、海外の戦争にも参加できるようになった。そんなことが理解できるようになった頃には、もう学校でも入隊を前提にした進路指導をやっていた。
実家の辺りでも、高校や大学を卒業した後の入隊を条件に、軍から奨学金を貰って進学する者は珍しくなかった。
僕はそのつもりで相談したんだけど、オフクロに止められたのだった。
実際、この辺りにも対空ミサイルを配備した基地がある。弾道ミサイルが落下したという想定で、高校でも避難訓練を2カ月に1回くらいの割合でやっている。
もっとも、そんなことが起こるという実感はない。毎日が、前の日と同じように過ぎていく。
全力で自転車を漕ぐ僕と並走する、セーラー服姿の妖狐と過ごす毎日はどうなるか分からないけど。
いちいち食欲を満たしてやっていたらキリがない。
一言で切り捨ててやったが、反省の言葉は聞けなかった。