僕の心の事情
文字数 499文字
(告白されたってことは……、やっぱり彼氏彼女の関係じゃなかったってことだよな。すると……むざむざチャンスを逃しちゃったってことだ。平日の放課後に? 図書館で? いつも一緒だったのに? バカじゃないか、僕は……)
蔵書量2万冊とも3万冊とも言われる巨大図書館を誇るのが、ウチの学校だ。だが、この私立高校に独り暮らしの下宿生活をして通うことにしたのは、読書のためではない。1年間、部活も入らずに、学校で放課後を過ごすようになったのは、ひとえにこの由良岬がいたからだ。
彼女目当てだったと言ってしまえば身も蓋もないが、それでも僕は、去年の秋まで声もかけられずにいたのだった。
思い切って、僕はきっぱりと言った……のならよかったのだが。
確かに押すなら今なんだろうけど、そんな甲斐性があるならとっくにやっている。
本当は、どこからか聞こえてきたのだ。こんなふうに。