蘇る思い出
文字数 461文字
そのとき、忘れかけていた妖狐のヨウコとの半年間が、いっぺんに蘇った。
笑ったり、僕をからかったり、ちょっと拗ねたり、だだをこねたり……。
だが、追憶にふける僕を現実に引き戻したのは、岬さんの不可解な一言だった。
心当たりが、全くなかったむしろ、僕とヨウコが迷惑をかけていたくらいだ。
そういえば、高校時代にそんなことがあった気がした。だけど、確かあの時、ヨウコの姿は誰にも見えなかったはずだ。