僕たちはこんな風に暮らしている
文字数 458文字
コンビニには寄ってやらなかったが、僕は次の日の朝食も兼ねて飯を炊き、油揚げを刻んで醤油までかけてやった。
面倒くさかったので、ネギは刻まなかったが。
確か、出会った日の夜も、油揚げ抜きで、飯だけ炊いてやった覚えがある。
両親を呼ぶか、あるいは警察に相談して家まで送り返そうと思っただけである。ところが、名前を「ヨウコ」と答えたきり、こいつは完全黙秘を貫いたのだった。
あの晩、僕は結局、寒い寒い秋の夜を、下宿の外で過ごすことになったわけである。
ああ言えばこう言う。出会ったあの日から、ずっとこうだ。
僕たちは毎日のように、こんな他愛ない会話をしては、じゃれ合ったり、時々ケンカしたり、また仲直りをしたり……こんなことを繰り返している。