決別のとき
文字数 401文字
とん、と畳を叩いて宙返りしたヨウコは、スカートの裾を器用に押さえて、素足で爪先立ちした。
スカートの下から、狐色の尻尾がふわりと垂れた。ウインクすると、似合いもしないセクシーポーズなんかとってみせる。
どこかで聞いた歌をもじったヨウコは、急に腰に手を当てて、僕がいつもやっていたように、めっ、という顔をする。
その目から、一筋の涙がこぼれた。それを受け止めようとするかのように、僕はヨウコの足元に飛び込んだ。
慌ててしゃがんだヨウコは、僕の身体を抱き起した。