Ⅱ. whereabouts of blood ♯2

文字数 386文字


 時刻はまだ六時前だったが、ベッドから抜け出して身支度を整える。

 今日着る服は一週間も前から決めていた。なのにいざ着てみると、おかしなところが無いか気になってしまう。

 黒のサロペットにゆるめのニット、その上に暖かいもこもこのジャケットを羽織って鏡の前で右往左往。

 ほんとにこれで大丈夫かな。
 浅桜くんは背が高いから、隣を歩くならもっと大人っぽい服にしたほうがいいかもしれない。
 でも、これでも充分落ち着いた雰囲気はあると自分では思う。
 ジャケットがもこもこだからいけないのだろうか……。

 夜も明けきらないうちに着替え始めて、事前に用意していた服に再び落ち着く頃には一時間が過ぎていた。それからは髪を念入りにブローして、前髪を留めて外してを繰り返した。

 おでこを出すと子どもっぽい……おでこを隠しても子どもっぽい……一体どうしろと言うんだろう。

 時刻は既に八時を過ぎていた。



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