Ⅴ. instinct was calling ♯10

文字数 398文字


 一旦話を切って店員さんを呼ぶと、瑞花はキャラメルラテ、わたしはマシュマロホイップココアを注文した。

「さっきの映画みたいにさ、もしルカさんが前世で結ばれなかった相手の生まれ変わりとかだったらどうする?」

 なにそれ? どうするもなにも、そんなことあり得ない。

「そんな非科学的なこと、あるわけないじゃん」

 映画の余韻が後押ししてるのだろう。瑞花の顔は燦々と輝いて見えた。

「だって普通イケメンハーフとこんな出会い方する? 絶対ないって! きっと緋莉とは、出会うべくして出会ったんだよ」

 はぁ……でも、わたしには浅桜くんがいるので……。

「だから、心配しなくても絶対また会えるよ!」

 瑞花の勢いに圧倒されて、体が数センチのけぞる。

「う、うん。そうだね。ありがとう瑞花」

 出会うべくして、か。

 前世だとか生まれ変わりだとかは全然ピンとこないけど、今は少しだけ、瑞花の言葉に踊らされてみるのもいいかもしれない。

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