Ⅶ. the sprouting love ♯6

文字数 362文字

 年上で、銀髪で、瞳が紅くて、意地悪だけど優しくて、わたしを守ってくれた人……。

 頭の中でルカさんの特徴を思い浮かべていくだけで、改めて非日常を纏う人だなと思う。まあそのほうが口にするわたしも非現実を語っているようで気が楽だけど。

「えっと、ヨーロッパ出身の銀髪ハーフで、紅い瞳をした年上の男性です」

 そう言うと、結花さんが一瞬体をびくっと震わせてわかりやすく目を丸くした。なにをそんなに驚いているんだろう。

「……そっか。緋莉ちゃんの好きな人って、そうだったんだね」

 えっ、なに? 結花さんの目がどこか憐れみを含んでるように見えるんだけど。

「緋莉ちゃんも、とうとう下り始めたんだね。果てしなく暗い……あの坂道を」

「な、なんのことですか?」

 ほんとうにわからない。話が通じなくなってきた。結花さんは一体なにを言ってるんだろうか。

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