Ⅷ. Final truth ♯28

文字数 329文字


 夕食を終えてふたりで部屋へ戻ると、優陽はスマホで、わたしはパソコンで調べ物を始めた。

「吸血鬼の伝説が残る国……か」

 調べていたのはルーマニアについてだ。さっきの食卓で何度も出てきたことに、わたし達は違和感を覚えていた。

「緋莉に固執するルカ、この家の立派なバラ庭、その間に共通していたルーマニア。なんとなくだけど今までバラバラだった欠片が繋がってきた気がするな」

 そして、その欠片が繋がるにつれて不安も色濃くなっていく。

 さっきのお母さんは、どう見ても様子が変だった。元々ルカさんの名前に聞き覚えは無さそうだったけれど、なにか引っ掛かるものがあるのは間違いない。例えば似た特徴の人物と出会ったことがあるとか……。

 だけど、そんな偶然がほんとにあるのだろうか。

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