Ⅷ. Final truth ♯11

文字数 370文字


 きっと誰もが、守りたい相手がいる。

 それは家族だったり、恋人だったり、友達だったり、あるいはバイト仲間だったり……。

 誰かのために自分の気持ちに嘘をつくことだってあるかもしれない。

 本当は優しい心を持っているのに、それが嘘で覆われてしまうこともあるだろう。

 時と場合によるけれど、仕方がなくついた嘘の裏にはきっと優しさや愛情が詰まっている。

 誰かを想う気持ちが先回りして、この人は小さな過ちを犯してしまった。それだけのことだ。

「はい、じゃあ今度一緒に作りましょう! でもかなり難易度が高いので、覚悟しておいてくださいね」

 そう言うと、本城先輩はパッと花が咲いたように笑った。

「ありがとう、緋莉ちゃん。わたし頑張るね!」

 胸の前で両手を組み目尻を下げた本城先輩は、アミューズメントパークで出会った頃と変わらず無邪気に輝いた笑顔を見せていた。

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