Ⅶ. the sprouting love ♯2

文字数 390文字

 予餞会の準備に終われた慌ただしい一月が過ぎ、本格的に冬の寒さが訪れた二月の放課後、わたしと瑞花は図書室のパソコンでお菓子の作り方を検索していた。

 相変わらずわたしは気怠い日と調子の良い日が不定期だけど交互に訪れている。ブルーデイの憂鬱を疑いもしたが周期も違うし関係はなさそうだ。それに倦怠感があっても翌日にはほぼ治っているので、今となっては正直あまり気にしていない。バイオリズムって本当に存在するのかもしれないな、くらいに思っている。

 そして一月の間も冬咲市の殺人事件は止まらず、犠牲者の数はついに十名を超えていた。

 おかげで部活動などは時間を短縮し、生徒はなるべく集団で下校するように言われている。被害者が倒れている現場から立ち去る女性の姿が目撃されたとニュースで言っていたが、緑地公園の犯行は女性には不可能だとか、相変わらずワイドショーでは無意味な論争が繰り広げられていた。

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