ダンジョン4

文字数 443文字

――〈開錠〉

 ガチリという機械的な音がした。

 重厚な扉がゆっくりと左右に開いていく。

 完全に開き切ったのを確認して、トゥシスが発光の方術がかけられた小さな棒を投げ入れる。

かなり広い空間だな

 光が届く範囲にはなにもない。天井どころか壁の位置すらわからなかった。

 扉を開けたら金銀財宝が並んでいると思っていたのに。

部屋というより広場になっているようだ
 発光の方術をかけた棒をいくつか投げ込んだけど、部屋の全容はまったくわからない。
入口に罠はない。

入るぞ

 周囲を警戒しながら宝物庫に侵入する。

 疑似生命体の気配は感知がしにくいので、どうしても歩みはゆっくりになる。

 四人の足音だけが部屋に木霊する。


 部屋は広大で先は見えない。

 方術の光で見ることができる範囲はそれほど広くない。

 その光もかすかに霞んでいるみたいだった。

 地下の部屋なのに霧でも出ているのかな?


 ――霧が出ている!?

みんな、離れないで!
 咄嗟に前を行くトゥシスの肩を掴む。
イーサ! 学院長!
 振り返った先に二人の姿はなかった。
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登場人物紹介

サダーシュ=シュラインベース

本作の主人公。ブレイドユースなのだが愛用の使い古しの剣でしかその実力を発揮できないでいる。ただしその剣で戦う時は誰よりも強い。


イーサティア=ニアステリア

王都で困っていたサダーシュを助けてくれた女性。サダーシュと同じく学院に所属する。

ブレイド、ブロウ、スラスト、マジックの4つのユースを持つフォーユース。

トゥシス=アズウェイ

イーサと一緒にいた美男子。サダーシュに対してどこかトゲトゲしい感じがある。

ブロウとガードのダブルを持つ。

カーモリア=アナディール

王立学院の学院長。

ニシキーン=ネオビューズ

学院でブレイドの師範をしている。

央国五剣の一人。

ケントール=フィルマウス

学院でガードの師範をしている。

男子に対して特殊な趣味を持っているもよう。

ジュリウス=リベスパーン

学院でマジックの師範をしている。

方術具の制作者としても著名。

ゴウローン=フラマウンス

学院でブロウの師範をしている。隻眼。

シンゴラス=リースバリー

学院でスラストの師範をしている。

ジンバルク=アプキャッスル

サダーシュたちの担任でありマジックユース。

方術よりも古の神秘である魔法に傾倒している。

ハージェシカ=イーツテリア

学院生徒の一人。女性だがしゃべり方がそっけない。

ブレイドとブロウのダブルユース。

ハヤード=アンウィスト

学院生徒の一人。

スラストのユースで弓を得意とする。

ケインズ=サウスマウンズ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

マジックのユース。

ゲンザール=スプラウェル

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ガードのユース。かなり年配。

シンハース=ロンストア

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブレイドのユース。

ヘイステイシア=ウィスホール

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

ブロウのユース。


レフターナ=フィルパディ

学院生徒の一人。ロウマインド流の門下生。

スラストのユース。

汎用男性1

汎用男性2

汎用男性3

汎用女性1


汎用女性2

汎用女性3

モンスター

描写に合わせて適宜ご想像ください。

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