お節介3
文字数 816文字
イーサが指差した先には馬車があって、その近くに長身の男の人が立っていた。
私たちに気が付いたのか、こちらへ向かって小走りで駆け寄ってくる。
お嬢?
やっぱりイーサってお嬢様ってこと?
男の人が睨みつけるように私を見る。
わー、この人も美形だ。
意志の強さを感じさせる眉に力強い光を宿した瞳。
男の人にしては長い髪は明け方の空の色をしていて、綺麗に梳かし整えられてる。
私より頭二つ分ぐらい高いこともあって見下されてる感じが半端ない。
男の人はいかにも胡散臭そうと言いたげに私を見てる。
……なんでそんな目で見られないといけないの?
イーサのとりなしに男の人は大きな溜息をついた。
それからすっと背筋を伸ばして、私に向けて頭を下げる。
ふわぁ、カッコいい!
なんだか騎士みたいな仕草で挨拶されちゃったよ。
……あれ?
なんか変なことを言われたような?