練習試合1
文字数 1,036文字
寝る前は人気のないいつもの場所で日課をこなす。
もっとも最近は愛用の剣が手元にないから学院から借りた剣で型の鍛錬してるんだけど。
そこへ行くと先客が必ずいる。
だから私は彼の鍛錬の様子をぼぅと眺めていた。
一時間ぐらい型の動きをやっていたトゥシスがようやく一息つく。
お前がそんな顔をするのは誰かと何かあった時ぐらいだ。少なくとも自分一人の問題ではないのは想像がつく。
付け加えてお前の交友関係はそれほど広くない。せいぜい先日の親睦会のメンバー程度だろう。
その中でお前に一番近いところにいるのはお嬢だ。一日のうちほとんどを一緒に過ごしているからな。
簡単な推理だろ
なるほど、言われてみれば。
って、私だって友達がいないわけじゃないからね?
クラスの女子とはそれなりに仲良くさせてもらってるし。
教室でボッチとかじゃないからね?
どうしよう、この雰囲気って聞いてもいいのかな。
でもまたどうでもいいことで言い合いになったりしたら……ああ、考えるだけバカらしい。だったらいつもの自分らしくまっすぐいこう。
ハージェシカさんはツーユースでブレイドとブロウを高いレベルでこなすし、スラストのハヤード君の弓はおそらく上級生にだって負けていない。
だから攻撃役として望むのならこの二人は最適だと思う。